都立高校入試の内申点はどう計算する?2027年度の換算内申と調査書点をわかりやすく解説
2026/10/28
都立高校入試の内申点はどう計算する?2027年度の換算内申と調査書点をわかりやすく解説
「都立高校の受験では内申点が重要と聞くけれど、実際にどう計算するの?」
「実技4教科は2倍になるって本当?」
「2027年度の都立高校入試では、内申点の扱いが変わるの?」
このような疑問を持つ中学生や保護者の方も多いのではないでしょうか。
都立高校の一般入試では、当日の学力検査だけでなく、中学校での成績を点数化した「調査書点」が合否に関わります。
しかし、「素内申」「換算内申」「調査書点」という似た言葉があり、仕組みを理解するのは簡単ではありません。
今回は、練馬区・武蔵関の自律型進学塾グロシードが、2027年度(令和9年度)の東京都立高校入試における内申点の計算方法と、受験に向けて押さえておきたいポイントを解説します。
1.都立高校入試で使われる内申点とは?
内申点は中学校での学習状況を表すもの
一般的に「内申点」と呼ばれているものは、中学校の通知表などに記載される各教科の評定を指します。
東京都の中学校では、基本的に9教科について5段階の評定が付けられます。
対象となるのは、次の9教科です。
-
国語
-
数学
-
英語
-
社会
-
理科
-
音楽
-
美術
-
保健体育
-
技術・家庭
この9教科の評定が、都立高校入試における調査書点の計算に利用されます。
ただし、入試では通知表の数字をそのまま足すだけではありません。
「素内申」「換算内申」「調査書点」の違い
都立高校の入試を考えるうえでは、3つの言葉を区別することが重要です。
素内申
9教科の5段階評定を、そのまま合計したものです。
9教科すべてが5の場合、満点は45点になります。
換算内申
受験する高校の学力検査科目に応じて、教科ごとの評定に倍率をかけて合計したものです。
一般的な5教科入試では、実技4教科の評定を2倍するため、満点は65点になります。
調査書点
換算内申を、入試で定められた配点に換算した点数です。
例えば、学力検査と調査書点の比率が7:3の場合、調査書点は300点満点になります。
この違いを理解すると、都立高校入試の仕組みがわかりやすくなります。
2.都立高校の換算内申はどう計算する?
5教科入試では実技4教科の評定を2倍する
2027年度の都立高校入試でも、学力検査を5教科で実施する場合、換算内申は次の方法で計算します。
換算内申=主要5教科の評定合計+実技4教科の評定合計×2
主要5教科は、国語・数学・英語・社会・理科です。
実技4教科は、音楽・美術・保健体育・技術・家庭です。
主要5教科の満点は25点、実技4教科は2倍して40点になるため、換算内申の満点は65点です。
つまり、都立高校入試では、実技教科の評定も非常に重要になります。
実際に換算内申を計算してみよう
例えば、次のような通知表の評定だったとします。
| 教科 | 評定 |
|---|---|
| 国語 | 4 |
| 数学 | 3 |
| 英語 | 4 |
| 社会 | 4 |
| 理科 | 3 |
| 音楽 | 4 |
| 美術 | 3 |
| 保健体育 | 4 |
| 技術・家庭 | 3 |
まず、主要5教科の評定を合計します。
4+3+4+4+3=18
次に、実技4教科を合計して2倍します。
(4+3+4+3)×2=28
最後に足し合わせます。
18+28=46
この生徒の換算内申は、65点満点中46点となります。
計算自体は難しくありませんが、実技4教科を2倍することを忘れないようにしましょう。
3.換算内申を調査書点に変換する方法
調査書点は300点満点に換算される
全日制の第一次募集で、学力検査と調査書点の比率が7:3の場合、調査書点の満点は300点です。
計算方法は次のとおりです。
調査書点=換算内申÷65×300
小数点以下が発生した場合は切り捨てます。
先ほどの換算内申46点を使って計算すると、
46÷65×300=212.307…
となります。
したがって、調査書点は300点満点中212点です。
換算内申が1点違うだけでも、調査書点には約4.6点の差が生まれます。
このため、日々の授業や定期テストに取り組み、評定を積み上げていくことが大切です。
4.都立高校入試は当日のテストと内申点をどう評価する?
原則は学力検査700点・調査書点300点
2027年度の都立高校入試でも、全日制の第一次募集では、原則として学力検査と調査書点の比率が7:3となります。
具体的には、次の配点です。
-
学力検査:700点
-
調査書点:300点
学力検査が5教科500点満点の場合、700点満点に換算します。
例えば、入試当日に5教科合計350点を取った場合、
350÷500×700=490点
となります。
ここに、先ほど計算した調査書点212点を加えると、
490+212=702点
となります。
さらに、対象となる選抜では英語スピーキングテスト(ESAT-J)の結果が最大20点分加算されます。
そのため、学力検査点・調査書点・スピーキングテスト結果の合計は、最大1020点となります。
※学校や学科によって選抜方法は異なります。傾斜配点や面接・実技検査などを実施する場合もあるため、志望校の募集要項を必ず確認してください。
5.2027年度の都立高校入試では何が変わる?
一部の高校で「7:3」と「10:0」を比較する選抜方法を実施
2026年9月17日、東京都教育委員会は2027年度(令和9年度)の都立高校入試実施要綱を公表しました。
その中で注目したいのが、調査書点の扱いに関する選抜方法です。
一部の都立高校では、学力検査と調査書点の比率について、
① 学力検査7:調査書点3
② 学力検査10:調査書点0
という2通りの計算を行い、受検者ごとに高い方の得点を選考に利用する方式が実施されます。
2027年度には、この方式を新たに2校の全日制普通科高校で実施することが公表されています。
この方式では、内申点が比較的低くても、当日の学力検査で高い得点を取ることで評価される可能性があります。
ただし、すべての都立高校で内申点が不要になるわけではありません。
志望校がどの選抜方式を採用しているか、東京都教育委員会の公式資料で確認する必要があります。
6.都立高校の内申点はいつの成績が使われる?
学力検査に基づく選抜では中学3年生の評定が重要
都立高校の一般入試では、基本的に中学3年生の評定が調査書点の算出に使われます。
そのため、中学3年生になってからの定期テストや授業への取り組みが重要になります。
しかし、中学1・2年生の勉強が関係ないわけではありません。
特に数学や英語は、前の学年で学んだ内容を土台として学習が進みます。
中学3年生になってから苦手分野をすべて復習するのは、時間的にも大きな負担になります。
早い段階から学習習慣を身につけておくことが、結果として中学3年生の評定にもつながります。
定期テストの点数だけで評定が決まるわけではない
中学校の評定は、定期テストの点数だけで機械的に決まるものではありません。
各教科の学習目標に対して、知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体的に学習に取り組む態度などの観点から評価されます。
そのため、テスト勉強だけでなく、日々の授業、課題、実技や発表など、各教科で求められる学習活動に適切に取り組むことが重要です。
評価方法の詳細は学校や教科によって異なるため、学校から配布される評価基準も確認しましょう。
7.都立高校を目指す中学生が今からできること
① 自分の換算内申を計算してみる
まずは現在の通知表を使って、自分の換算内申を計算してみましょう。
具体的な数字がわかると、志望校を考えるうえでの出発点になります。
ただし、今の成績がそのまま入試の調査書点になるとは限りません。現状を把握するための目安として活用しましょう。
② 苦手教科だけでなく実技教科も大切にする
主要5教科の対策はもちろん重要ですが、都立高校の5教科入試では実技4教科の評定が2倍になります。
主要5教科だけに力を入れ、実技教科を軽視するのは避けたいところです。
すべての教科に対して、授業内容を理解し、求められる課題に取り組むことが大切です。
③ 定期テストごとに学習方法を振り返る
定期テストでは、点数だけでなく、間違えた理由を確認しましょう。
例えば、
-
基本事項を覚えられていなかった
-
問題の意味を理解できなかった
-
時間が足りなかった
-
以前に学んだ単元でつまずいていた
といった原因によって、必要な対策は異なります。
テストが終わった後に学習方法を振り返り、次の目標を決めることが重要です。
④ 入試本番の得点力も並行して伸ばす
内申点を上げることだけが高校受験対策ではありません。
都立高校の一般入試では、当日の学力検査が大きな割合を占めます。
学校の定期テスト対策と並行して、基礎知識の定着、応用問題への対応、時間配分など、入試本番を意識した学習も必要です。
8.武蔵関・練馬区で都立高校受験をお考えの方へ
自律型進学塾グロシードでは、一人ひとりの学習状況や目標に合わせた学習指導を大切にしています。
都立高校入試では、現在の内申点を把握するだけでなく、志望校の選抜方法を理解し、今後どの教科をどのように学習するか考えることが重要です。
「換算内申の計算方法がわからない」
「今の内申点でどの高校を目指せるのか知りたい」
「定期テスト対策と高校受験対策を両立したい」
このようなお悩みがある方は、まずは現在の学習状況や志望校について整理してみましょう。
9.まとめ|内申点の仕組みを理解して受験対策につなげよう
都立高校入試では、通知表の評定をそのまま使うのではなく、換算内申と調査書点に変換して評価します。
一般的な5教科入試の場合、主要5教科の評定を1倍、実技4教科の評定を2倍して、65点満点の換算内申を計算します。
そして、学力検査と調査書点の比率が7:3の場合は、換算内申を300点満点に換算します。
2027年度には、一部の都立高校で7:3と10:0を比較する方式も実施されます。
大切なのは、入試制度を正しく理解したうえで、自分に必要な学習を考えることです。
内申点と学力検査の両方を意識しながら、一つひとつの学習を積み重ねていきましょう。
【参考資料】
東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目について」
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/ja/information/press/2026/09/2026091703
東京都教育委員会「令和9年度 東京都立高等学校に入学を希望する皆さんへ」
※この記事は2026年10月時点で公表されている資料を基に作成しています。志望校の選抜方法については、東京都教育委員会および各高校の最新の公式情報をご確認ください。